事務所通信 2月号掲載
あ き ら め

  
諦め(あきらめること。思い切り。断念〜大辞林より)

 

平成1410月号で、ペイオフ全面解禁の話を書かせていただきましたが、2年延長の後、いよいよ平成174月より実施されます。


決済用預金(「無利息、要求払い、決済サービスをできること」という3要件を満たすもので、たとえば、当座預金や利息のつかない普通預金が該当します。)は、全額保護されますが、一般預金等(利息のつく普通預金・定期預金・定期積金等)は、合算して元本1,000万円までとその利息等の保護となります。外貨預金等は保護の対象外です。


当時は、だいぶ新聞等マスコミをにぎわせましたが、今回は皆無とは言わないにしても、このまま、スルスルッと実施されそうです。


消費税もそうです。
平成元年4月の導入時は、大騒ぎしましたが、平成94月の税率3%から5%への引き上げの際には、さほど騒がれることなく実施されました。今回の免税点3,000万円から1,000万円への引き下げ等も同様です。


これらのことは、間違っているとは言えません。原理原則に従ったら、むしろ正しいと言えます。


一般の会社が倒産すれば、ほとんど全額が貸倒損失となるのに対し、1,000万円まで保護されるわけですからまだ恵まれているのかもしれません。また、税収が不足すれば、増税も止むを得ない面があります。


しかし、税制改革(増税)について言わせてもらえば、どこかおかしいのではないでしょうか

民間であれば、精一杯経費を削減して、なお足りないので税金を上げさせて下さいと言うのが普通ではないでしょうか。


経費の大胆な削減案も示さず、年金制度の将来展望も明示しないまま、とにかく足りないので増税するというポリシーの無さが気に入りません。日本人は、暴動を起こすことも無く、よく耐えているなと思います。
騒いでもしょうがないという「あきらめ」でしょうか。


思い切り」といった良い意味での「あきらめ」は必要でしょうが、無力感に陥った「あきらめ」は、したくないものです。

所長 須田幸英
事務所通信2月号掲載


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