事務所通信 平成18年7号掲載
職 業 選 択 
 
最近、「下流社会」「金持ち」「貧乏」「格差」といった言葉をよく耳にするようになりました。そこでベストセラーとなっている「下流社会」(三浦展(あつし)著〜上越市出身)という本を読んでみました。
そのなかで、「自分らしさを求めるのは下流である?」という標題がありました。「自分らしさ」や「自己実現」を求める者は、仕事においても自分らしく働こうとする。しかしそれで高収入を得ることは難しいので、低収入になる。よって生活水準が低下する。そういう悪いスパイラルにはまっているのではないかと推測される。
 
 つまり、自分が本当に好きなことを見つけて、それを仕事にしようと自分探しを始めた若者は、結果としていつまでもフリーターを続けて30歳になっても低所得に甘んじ、低階層に固定化されていく危険性が高いということです。
 ここで、以前読んだ「人生二度なし」(森信三(のぶぞう)著)を思い出しました。「就職先の選び方」という項目で次のように述べています。

1. 人は事情の許すかぎり、なるべく自分の好きな職業を選ぶがよい。
2. だが不幸にして自分の第一志望のかなえられなかった場合には、第二志望の道について、しかもそれを自分に対する「天命」と考えて、全精根を傾けて努力するがよい。
3. 大会社で自分の性分に全然合わない仕事をするよりも、むしろ会社は多少小さくても、自分の肌にあった仕事をやりぬく方がよい。


第一志望といっても、実際にやってみたというわけでない以上、果たしてどの程度にその人の素質・天分があったかということになると何人も決定的なことは言えないのではないかということです。
 私自身、いま税理士という職業に就いていますが、素質・天分があると思って選んだわけではありません。大学は失敗するし、手先は不器用だし、運動神経は鈍いし(ゴルフもいつまでたっても上手にならない)etc他に出来そうな職業がなかったからです。
このように不器用に生んでくれた母親に感謝する今日この頃です。



所 長  須 田 幸 英
事務所通信 7月号掲載
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