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「財産や収入が少なく、生活が苦しいこと。また、そのさま。」
大辞林(三省堂)の説明です。これが正しいのでしょうが、私の中では「その時代において、他の人より財産や収入が少なく、生活が苦しいこと。また、そのさま。」と定義されます。
「貧乏人の子沢山」〜貧乏人は裕福な人よりもかえって子供が多いということ。
「貧乏人の正月」〜(貧乏人は正月に餅もつけないが、その「餅無し」を「持ち無し」に掛けて)持ち合わせがないことをしゃれていう言葉。
「貧乏暇なし」〜貧乏人は生活費をかせぐのに追われて、時間の余裕がない。
いずれも、あまり良いイメージはありません。
ところで、先日「盛和塾第13回全国大会」が横浜パシフィコで開催されました。1891名参加の中で、自動販売機の設置を業務としている会社の社長さんの経営体験発表がありました。小学4年生の頃、父と母が離婚し、新聞、牛乳配達をしながら母との生活を支えてきた人です。貧乏生活から抜け出すため就職先は給料の最も高いところを選び、その後独立してからも、業容業態を拡大し続け、暴走しかけたとき盛和塾で稲盛和夫氏より経営者として人間としての気づきをいただくと同時に、本業にもっと磨きをかけるよう指導を受けたという内容でした。
あまりに感動的だったためこの発表のビデオを貸して欲しいとメールしたところ快く承諾してくれると同時に「私の貧乏など大したことでないが、発表の途中で当時のことが甦って涙してしまった」旨の返事がありました。私自身も子供の頃は、貧乏が恥ずかしく嫌でしたが、今ではむしろそうした中でも育ててくれた両親にありがたいという気持ちでいっぱいです。心まで貧乏にはなりたくありませんが、若いときのそういう環境は、その後の人生のバネになるのではないでしょうか。と思いながらも、自分の子供に対してはそうした思いをさせたくないという気持ちが働くことがあり、矛盾を感ずる今日この頃です。
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