試算表の見方・説明 「新会社法対応版」

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須田幸英税理士事務所
                 す だ    ゆ き ひ で

つづいて、売上総利益から、販売費及び一般管理費を引いてそれぞれ営業利益がそれぞれ15万円と70万円。販売費及び一般管理費は固定費と呼ばれるもので、毎月の金額は特別なことがないかぎりほとんど変わりません。また営業利益とは、業務上、営業上で黒字なのか赤字なのかを判断する箇所で、当月は前期及び当期それぞれ黒字ですので問題はありませんが、ここの数字か赤字になっている場合、さらに累計の営業利益で赤字の場合、根本的に利益の出ない体質になっていると考えられますので、経営方針の抜本的な改革が必要です。

 営業利益からその下の営業外収益を足して営業外費用を引いて経常利益がそれぞれ10万円と68.5万円、特別利益、特別損失はありませんのでそのまま下げて今月は税引き前当期利益は68.5万円なりました。

今度は8月までの累計について説明します。左側の8月累計前年と8月累計実績を見ていきましょう。
 
 8月累計では、上から眺めていくと売上げは前期の8650万円に対して当期は9200万円、前年比106.4%となっています。この景気情勢の中でよく頑張っているのがうかがえます。
  
 売上原価は累計で見ますと、7044万円で前年比99.7%と、売上げが6.4%増加するものの原価は0.3%減少していますので、当期の8月単月の原価の減少しかり、原価を下げる事に、もの凄く努力しているのがよく見えます。

 そして、それぞれ売上原価を引いて売上総利益が前期は1585万円に対して当期は6505万円。また、売上総利益から販売費及び一般管理費をひいて営業利益は前期は128万円に対して当期は650.5万円。さらに営業利益から営業外収益と営業外費用を加減して当期の経常利益は前期の165.1万円に対し約四倍の利益6626万円を残しています。 残すところあと決算まで4ヶ月ですが、さらに原価の管理を徹底して、よい決算を迎えたいものです。




2ペ−ジをご覧下さい...

 
先ほど利益が前期より大幅に出たのは売上原価の圧縮とお話しましたが、それでは、売上原価の内訳を見てみましょう。

期首原材料棚卸高〜当期完成工事原価までの網掛けされた部分が売上原価になります。
また、8月単月比較は省略して、右側の部分の累計8月前年と累計8月実績を見ていきます。

 原価を大きく分類すると、科目名をたどっていくと材料費計、労務費計、経費計とありますがこの3つで構成されています。

 網掛けの一番下の当期完成工事原価と書かれたその二段下の売上総利益の構成比をご覧下さい。前期は18.3%に対して当期は23.4%ですので、前期と比べ原価率は23.4%−18.3%=5.1%下がったことになります。これが税引前当期利益の増加と密接な関係があるわけです。
 
 さて?何が5.1%も下がったのでしょうか??

 大きく分類された構成比を見てください。材料費計は前期1380万円に対し当期は1370万円。それぞれの構成比は16.0%と14.9%ですので、5.1%のうち1.1%は材料費の減少が原因しています。
 次に労務費計はどうでしょうか?前期2235万円に対し当期は2284万円。それぞれの構成比は25.8%と24.8%ですので、1.0%は労務費の減少が原因しています。
 残る経費計が3.1%減少しているはずです。確認してみましょう前期3450万円に対し当期は3390万円。それぞれの構成比は39.9%と36.8%ですので、ほら、3.1%減少してますね。 では、経費の内訳を外注費から眺めていきますと、外注費の構成比率が前期23.4%、当期21.3%とずいぶん下がっているのがわかりますね。差し引きすると2.1%下がっています。その他、減価償却費以下の構成比は若干のデコボコはあるものの外注費ほどダイナミックな動きはありません。
 
 原価を圧縮させた大きな原因は外注費の単価の見直しや従業員の効率よい現場の配置等が原因に思いますね。


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